動作拡大型スーツ”スケルトニクス®”

人の歩行動作などの複雑なタスクをこなす搭乗型外骨格の分野において,ダイレクトな操作感が得られる機械式マスタスレーブの利点に着目し,スケルトニクス®を開発した.スケルトニクス®は,腕や足の動きに追従して動くリンク機構を用いて四肢の動作すべてを拡大し,通常の人体では表現できないダイナミックな腕や足の動きを実現できる動作拡大型スーツである.動力は人力のみでアクチュエータは搭載されておらず,装着された人間にはスーツの重量と拡大率に比例した負荷がかかる.

 

スケルトニクス®シリーズ

第一世代

スケルトニクス®・初号機
(Skeletonics Unit 01)

Skeletonics_No01_01
最初の動作拡大型外骨格.プロジェクト開始から半年間の開発を得て完成.完成後は動画を公開し世界中に衝撃を与える.当初は拡大率2倍を目標に製作がスタートしたが,脚への負荷が大きすぎたために下半身は拡大率1.5倍に倍率を下げている.以降のモデルでも,上半身は2倍,下半身は1.5倍の拡大率となっている.

  • completion date: 2011/02@Okinawa
  • size: 2.6[m]
  • weight: 40[kg]
  • wearing time: 8[min]
  • operating time: 5[min]
  • frame designer: Aka,Shiroku,Tamashiro
  • cowl designer: Shiroku
  • pilot: Aka

 

 

第二世代

スケルトニクス®・リメイク
(Skeletonics Remake)

Skeletonics_No02_01
Skeletonics_No02_02
Skeletonics_No02_03
上半身の構造見直しにより初号機の課題であった装着にかかる時間を大幅に短縮することに成功.下半身は構造を見直しより腰回りをはじめ全体的にスリムになっている.No.04プラクティス下半身と組み合わせた黒色モデルも存在する.2014/07のMakersBlock@シンガポールでは,国内Maker企業およびTwitterサポーターの広告を外装に施した白色モデルを披露した.

  • completion date:
    2011/08(upper half)@Tokyo,
    2011/12(lower half)@Okinawa
  • size: 2.6[m]
  • weight: 40[kg]
  • wearing time: 5[min]
  • operating time: 5[min]
  • frame designer: Aka,Shiroku,Tamashiro
  • cowl designer: Nakano
  • pilot: Aka,Shiroku

 

 

第三世代

スケルトニクス®・ホープ
(Skeletonics Hope)

Skeletonics_No03_01
膝部の電動化を試みたモデル.遊脚テストを終えて開発は停止.後々のパワード化の貴重なデータを得ることに成功.現在は過去に開発された上半身と組み合わせて保管されている.

  • completion date:
    2010/11(upper half)@Okinawa,
    2013/03(lower half)@Okinawa
  • size: 2.6[m]
  • weight: 40[kg]
  • wearing time: 5[min]
  • operating time: 5[min]
  • frame designer: Aka,Shiroku,Nakano
  • cowl designer: Nakano
  • pilot: Shiroku,Nakano

 

 

第四世代

スケルトニクス®・プラクティス
(Skeletonics Practice)

Skeletonics_No04_03

Skeletonics_No04_01
初の量産化対応販売モデル.上半身は従来ながら複雑な構造であるにもかかわらず,生産スピードの早さと運用性を高めることに成功.下半身は厳密な動作拡大をやめて大幅な機能削減を行った.脚への負担が減り,搭乗時間が飛躍的に向上している.長崎にあるハウステンボスのパレードに導入された.兄弟機としてレッドフレームモデルが存在する.

  • completion date: 2014/01@Tokyo
  • size: 2.8[m]
  • weight: 35[kg]
  • wearing time: 2[min]
  • operating time: 30[min]
  • frame designer: Aka
  • cowl designer: Shiroku,Nakano
  • pilot: Aka,Shiroku,Nakano

 

 

第五世代

スケルトニクス®・アライブ
(Skeletonics Arrive)

Skeletonics_No05_02
Skeletonics_No05_03
プラクティスに頭部,手首,指,腰部を追加したカスタムモデル.多くの機能を有し,これまでにない表情豊かなパフォーマンスを行うことが可能になった.またこれまで実現できなかった上半身と下半身を接続した状態での動作に成功.人体の肩への負担が減少し,多装備にもかかわらず搭乗時間は飛躍的に向上している.兄弟機としてドバイに販売したホワイトカラーエディションが存在する.

  • completion date: 2014/06@Tokyo
  • size: 2.8[m]
  • weight: 40[kg]
  • wearing time: 1[min]
  • operating time: 60[min]
  • frame designer: Shiroku,Aka
  • cowl designer: Shiroku
  • pilot: Shiroku

 

 

デザインについて

動作拡大型スーツ『スケルトニクス®』は「2013年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞しております.

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「身体・人間」の視点からみてスケルトニクス®が提供できること
西洋のハロウィンで使用されるスティルトまたは西洋竹馬と呼ばれるものは,節の長さを拡張するものであり,身体動作の正確な拡大にはなっていない.スケルトニクス®は平行リンクを駆使した特殊な3次元の閉リンク構造を用いることで,無動力で外骨格の四肢を搭乗者が操作できる.片腕4自由度,片脚5自由度の同期を行うことが可能.そのため,自分が巨大ロボットになったような拡張感を得られる.

「生活」の視点からみてスケルトニクス®が提供できること
映画,遊園地,アーティストのライブなど,普段の生活に変化をもたらすエンターテインメントという分野にスケルトニクス®というカテゴリを創出することで,新たなムーブメントを起こし得る.スケルトニクス®はアニメの中のロボットが現実世界に飛び出してきたような錯覚をもたらす.人々がスケルトニクス®を見たとき,そこに未来・非現実を感じてもらえるだろう.CG技術にはできない,新たな世界観を人々に提供する.

「産業」の視点からみてスケルトニクス®が提供できること
スケルトニクス®に利用されている三次元の閉リンク構造はアニマトロニクス技術そのものであり,特に映画産業に革命をもたらす.近年,SF映画にモーションキャプチャを利用したCG技術が多用されているが,劇中でロボットスーツを着たときの慣性や物体との干渉動作の再現には限界がある.スケルトニクス®とモーションキャプチャを組み合わせて利用することで,よりリアルな演出が可能になる.

「社会・環境」の視点からみてスケルトニクス®が提供できること
スケルトニクス®は電気を使わない.身体動作の拡大というと一般にセンサとモータの使用が考えられるが,あえて特殊な三次元の閉リンク構造を用いている.蒸気機関車から電車に移り変わっていった時代,世の中の機械のあらゆる回転軸はモータに置き換えられた.失われつつあるメカニカルなリンク機構のみで動き,感動を与えるスケルトニクス®は,ロストテクノロジーの偉大さを世界に気づかせる.

グッドデザイン賞審査委員の評価

外骨格型のロボットである。このスケルトニクス®を装着すると、まるで巨人になったかのような感覚が味わえる。ロボットといっても電気を使っているわけではなく、特殊な三次元の閉リンク構造によるメカニカルな仕組みを採用することで自由度の高い身体動作を可能としている。実物を見れば、その動きのリアリティに驚くことだろう。装着者の手足の動きがダイレクトに反映され、巨大な体にもかかわらず機敏に動くのだ。日本のロボットカルチャーが本物のロボットへと結びついていく潮流の最先端に位置しているといえるだろう。

グッドデザイン賞ウェブサイト
http://www.g-mark.org/award/describe/40440

 

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